インスリン療法の実際

健康な人のインスリン分泌パターンを再現する(インスリン療法)

インスリン療法とは、糖尿病患者さんの体内で不足しているインスリンを注射で補う治療法です。
すい臓からのインスリン分泌には、1日中ほぼ一定量が分泌される「基礎分泌」と食事などの血糖値の上昇に応じて分泌される「追加分泌」があります。

1型糖尿病では「基礎分泌」と「追加分泌」がともに障害されています。2型糖尿病では主に「追加分泌」が障害されており、さらに進行すると「基礎分泌」も障害される場合があります。

インスリン療法では「基礎分泌」と「追加分泌」からなる健康な人のインスリン分泌パターンを再現することを理想としており、そのため適切なタイミングで、適切な量のインスリンを注射する必要があります。

多種多様なインスリン注射薬

健康な人のインスリン分泌パターンを再現するために、多種多様なインスリン注射薬があります。

インスリン注射薬は、持続時間などの違いにより、超速効型、速効型、混合型、中間型、持効型の5種類に分けられます。これらを個々の患者さんそれぞれの分泌パターンに応じて、単独あるいは組み合わせて使うことで理想的なインスリンの分泌パターンを再現することができます。
その結果、より自然な形で良好な血糖コントロールが得られ、糖尿病の合併症を予防することができます。

インスリン注射薬はどう使う?

現在のインスリン療法では、ペン型の注入器を用いるのが主流で、注射針は細く短く、痛みも少なくなっています。

注射する部位は、
①腹部(おなか) ②上腕部の外側 ③臀部(おしり) ④大腿部(ふともも)の外側などが適しています。

注射部位によって薬の吸収が変わることもありますので、主治医の指示に従い、腹部なら腹部、上腕部なら上腕部と毎回同じ部位に注射するようにしましょう。
ただし、いつも同じ場所に注射すると、皮膚がへこんだり、逆にふくれることがありますので、前回注射した場所より2~3cmくらいずらして注射するようにしましょう。